ぶつけた覚えがないのに内出血ができているということはありませんか?
気付かないうちにぶつけていることもあるかもしれませんが、病気のサインであることも。
そこで今回は、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。
Hさんの場合……
特発性血小板減少性紫斑病に罹りました。
4年ほど前、足に内出血がよくできていました。
最初は指先ほどの大きさの内出血。
覚えていないだけでどこかにぶつけたのだと思っていました。
しかし、ある日直径5cm大の内出血が。
さすがにこの大きさの内出血ができるほどの勢いでぶつけたら覚えているはずなのにおかしいな?と思いました。
長年生理関係にはトラブルがなく、生理痛も軽くPMSや排卵痛もなく30代まで来たのですが、足の内出血に気づいた少し後から出血量が多くなったように思い始め……。
ある生理中に座っていられないほどの寒気と吐き気、下腹部の痛みに襲われ、怖くなって即日産婦人科を受診。
その際、内診台での検査で足の内出血に気づいた看護師さんに「足どうしたの?ぶつけた?」と尋ねられ、「ぶつけた覚えがないのに最近やたら足に内出血できるんですよね」と返答。
「じゃあついでだから血液検査していく?」と言われたのでお願いしたところ、血小板の数値が低すぎるからすぐに血液内科を受診しなさいと紹介状を出されました。
産婦人科を後にしたその足で紹介された血液内科を受診し、再度血液検査。
特発性血小板減少性紫斑病と判明しました。
どんな治療を受けましたか?
ステロイド内服薬の投与で一時的に血小板の数値は上がりましたが、減薬とともにまた数値が下がってきてしまい継続的な効果が見られなかったため、その後点滴によるリツキシマブの投与を行いました。
投与後、ステロイドは徐々に減薬し最終的に服用をやめましたが、そのまま血小板の数値は正常値内を保っています。
伝えたいことは?
足に内出血ができるのは、気が付かないうちにどこかにぶつけているのだと思いました。
歯ぐきから出血するのは、歯周病が原因だと。
通常の定期健康診断には血小板数値の項目がなく、たまたま産婦人科で血液検査をするまでまったく気が付きませんでした。
また、病気が判明する4年ほど前に受けた妊娠中の血液検査では、血小板数値に異常はなく、いつから何がきっかけで発症したのかまったくわかりません。
もしこの症状に心当たりがありましたら、一度内科で詳細な血液検査を受けてみてください。
違和感があるときは早めに専門家へ
足の内出血がきっかけで血液検査をした結果、特発性血小板減少性紫斑病と衝撃の病気が判明したHさん。
体の異変を感じたら、早めに専門家に相談することが大切です。
皆さんも、違和感を覚えたら専門家へ受診してみてくださいね。
今回は「疾患に気づいたきっかけのお話」をお届けしました。
※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。
必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修医:新見正則医院院長、新見正則
1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。
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(MOREDOOR編集部)