【相談者:20代女性】
彼と付き合いたての私。真面目そうに見える彼ですが、周りから聞く評判があまりよくありません。
まだ付き合って間もないため、本当はどんな人なのか、深くは知りません。
でも、ちょっと心配……。付き合いはじめの彼氏が、自分自身のことを偽っていることってあるんでしょうか?
付き合いはじめは自己アピールの場! 偽り未満と捉えましょう。
ご質問ありがとうございます。人間観察好きの物書き、ときわひでたかです。
カップル誕生の瞬間は、いろいろな物語を経て訪れるもの。自動的にそれが訪れるわけでもなければ、どちらかと言うと紆余曲折を経て訪れることが多いはずです。
ようやく恋人の関係になれた二人は、その恋のスタートダッシュを華麗に決めようと、自分を必死にアピールします。
そう付き合いはじめは、自己アピールの場なのです。
自分に有利になるエピソードは過大に語るでしょうし、逆に不利になるエピソードは、控えめに語ることでしょう。
真実との差分を偽りと捉えるか、できたばかりの恋人に好かれようとする必死な姿勢と捉えるかは、個人の価値観とも言えます。
職業を偽ったり、二股をかけていたり、金銭的な状況を隠したりといった、明らかに嘘に値するものならちょっと考えものですが、そうでなければ許容範囲なのではないでしょうか。
ここでは彼女と付き合いたての男子たちが、どういった本音を隠しているのか、インタビューしてきました。
男の真実をチラッとのぞき見してみましょう。

(1)過去の恋愛を控えめに語るパターン
『これまでに付き合った彼女の人数を聞かれたときは、少なめに答えますね。過去の女性とのことは、すべて控えめに答えるようにしています』(25歳男性/ショップ店員)
付き合う前や付き合いたての頃は、お互いに過去の恋愛についてのエピソードを知りたくなってしまうもの。
「遊び人だったらどうしよう……」という心配を解消して欲しくて、ついつい尋ねてしまうことでしょう。
過去に付き合った人の数を過小報告してしまうのは、仕方ないのではないでしょうか。
もし付き合った人数が多くても、しっかりと真面目な恋愛をしてきたのなら何の問題もないかも知れませんし、人数の多さだけに注目され、マイナスイメージを持たれてしまうことも考えられます。
それを懸念して過小報告してしまう。これは偽りには値しないでしょう。
(2)今の彼女を過大評価するパターン
『過去に付き合った彼女のほうが、見た目や性格がタイプだったとしても、今まで付き合った女子の中で、一番だって答えますね(笑)』(28歳男性/営業職)
過去に付き合った彼女に未練が残っているなら問題ですが、そうじゃなく、今の彼女のことを真剣に好きでいるなら、特に問題はないでしょう。
年齢を重ねれば、自ずと「過去」も増えてきます。
言い換えるなら、今との比較対象がどんどん増えていくことになります。
しっかりと彼女のことを思ってくれる彼氏なら、たとえ心の奥底にこういった思いがあったとしても、今の彼女はそれを知る必要はないでしょう。
(3)彼女に迎合しようとするパターン
『彼女の好きなものに、自分の好みも合わせるようにしますね。好きな食べものだったり、好きな音楽だったり。付き合っていくにつれ、徐々に本音を出して行けばいいかって思いますから、付き合いたてのときは、相性の良さをアピールします』(25歳男性/営業職)
付き合いたての頃は、恋人同士、ちょっとした性格のズレや個人的なステータスの違いを気にするもの。できれば、パーフェクトな相性を持った二人でいたいと願うのは当然のことでしょう。
これは偽りでもなんでもなく、彼女に好かれようとする努力と言ってもいいでしょう。
彼女に合わせている間に、本当にそれが好きになるケースもありますし、ダメだった場合でも、本音が語れる関係になってから、彼からカミングアウトしてくるでしょう。
彼女に迎合するかしないかは、男子のタイプによって違いますので、自分の意思をしっかりと伝えてくる男子もたくさんいます。どちらも、その男子の自己アピールと考えましょう。
(4)元カノとの関係を隠しているパターン
『元カノとまだ完全に別れていない状態で、今の彼女と付き合い始めました。彼女には、元カノとは別れたと言っていますが、実はまだ、別れ切ってはいません……』(26歳男性/飲食店スタッフ)
このパターンは、なかなかリスクが高いですね。偽りに値すると言ってもいいでしょう。
偽り自体は、もちろん良いことではありませんが、こういったタイプは、2つのパターンに分けられます。
二股気味に今の彼女と付き合っているパターンと、今の彼女と真剣に付き合いたいけれど、元カノとの関係をうまく清算できていないパターン。
後者の場合は、時間をかけてでも元カノとの関係をしっかり終わらせるよう、行動してくれるでしょうから、暫定的な偽りも認めざるを得ない部分もあります。
が、前者の場合は確信犯的な偽りです。
次の女子、また次の女子と数珠つなぎに恋愛していき、その都度、恋人を悲しませるタイプの男である可能性が高いでしょう。
付き合いたての頃は、誰しも自分を必死にアピールします。
そして、付き合っていくにつれ、背伸びした自己アピールを現実にしようと努力する人もいれば、背伸びに息切れして、恋人に本音を漏らす人もいることでしょう。
いずれにせよ、悪意を持って偽っている男との恋愛は、やがてその悪意が露呈します。
それとは逆に、好意を持って自己アピールしている男との恋愛では、それが軽い偽りだったとしても、真実を知ったときに二人で笑いながら消化できるはず。
周りから聞く彼の評判に悩む気持ちも分かりますが、付き合いたての頃は、それを直接彼には確認できないもの。あなた自身も、彼に嫌われたくないという気持ちがありますからね。
普段の彼の言動や行動をしっかりとチェックしながら、偽りか彼の自己アピールなのかを見極めるようにしましょう。
●ライター/ときわひでたか(人間観察専門家)